『カウンセリングってポーションより効くのかい?』
●そもそも話をするだけで治療なんてできるのか??
多くの方がまず最初に疑問に思われるポイントだと思います。
例えばひとに愚痴をはけば気が楽になる、という体験は皆様思い当たるでしょう。
だったらわざわざお金払って話聞いてもらう必要ないじゃん!!
おっしゃる通り、『愚痴をはいて楽になる』程度の事であれば
『お金払って時間を割いて専門家に話をするまでの価値もない』のです。
もしあなたが過去に心理相談等を受けてそのように感じられたのであれば
「その時間とお金を割くだけの価値をカウンセラーが提供できていなかった」か
あるいは
「わずかな時間であなたとカウンセラーとの間で共有すべき問題が解決できた」
ためにそれ以上の継続をあなたが必要としなかったか
このいずれかだと私は推測します。
場合によっては3つ目の
「あなたがその問題を解決することをこれ以上望まなかった」
というケースもありますが。そこはまたいずれ。
アドラー心理学について広めたかの「嫌われる勇気」という本を読んでいただけると
参考になるのではないかと、あらかじめお伝えしておきます。
●お金、時間、場所・・・
「たとえば、君が夕方の4時に来るなら、ぼくは3時からうれしくなってくる。
そこから時間が進めば進むほど、どんどんうれしくなってくる。
そうして、とうとう4時になると、もう、そわそわしたり、どきどきしたり。
こうして幸福の味を知るんだよ!でも、君が来るのが行き当たりばったりだと
何時に心の準備を始めればいいのか、ちっともわからない・・・・
ならわしって、大事なんだ。」<サン=テグジュペリ『星の王子さま』より>
これはキツネが星の王子さまに「時間」と「場所」と「約束」が
ひととひととの関係を築くうえでとても大切なポイントになることを
教えている場面のキツネのことばです。キツネはこの3つを総じて
「ならわし」という言葉で表現していますね。
カウンセリングが治療効果を発揮するためには、
キツネの言ったこの「ならわし」が深く関係してきます。
カウンセリングは日常から離れた空間(「場所」)の中で
あなたとカウンセラーがあなたの問題を解決する為に時間をとる(「時間」)
この非日常的な時間と空間が「治療構造」と呼ばれる
「心の問題を解決するための役割」を果たします。
そしてもう一つ、「治療構造」を維持していくために大切な事が「約束」です。
この約束の中には様々な内容が含まれています。
・カウンセラーは聞いた話を外部に漏らさないという約束
・その時間その場所ではカウンセラーはあなたの言葉や存在を無条件に受け入れる
・互いの身体に危険の及ぶ行為は禁止する
・契約に基づいてお金を支払う
・・・etc
この約束をお互いが守り、そして
「一緒に問題を解決していく」という約束の上でカウンセリングは進められます。
あなたかカウンセラーのどちらかがこの約束を破れば、
あなたは安心してカウンセリングでご自身のお悩みを打ち明けられなくなり
あるいは
カウンセラーが安心してあなたと共に治療に向き合うことができなくなります。
カウンセリングが治療効果を発揮するにはこの「治療構造」がとても重要なのです。
さて、冒頭でふれたように日常生活でひとに愚痴を聞いてもらう時
・相手はあなたの事を傷つけないという約束を交わしていますか?
・相手にどんなことを話したとしても他に漏れない安心感はありますか?
・相手とあなたは、決まった時間に決まった場所で愚痴を話し合いますか?
つまり、日常生活の中では
「あなたが抱えている悩み事を話しても、100%安心感が保障される」
事はありえないのです。
「治療構造」という非日常的空間があなたの安心安全を保障してくれるからこそ
はじめてそこに「治療効果」が発生するのだといえます。
●プロだからこそ提供できる知識と技術
ここまでのところで「治療構造」がもつ「治療効果」についてお話ししました。
しかしもちろん、「治療構造」があればどんなひとでも「治療効果」を発揮できる
・・・わけではありません。
心理カウンセラーはまず大前提として
・傾聴
・自己受容
・無条件の肯定的配慮
という3つの原則を守る訓練を受けています。
それぞれがどんな意味を持つのかはここでは割愛しますが
ひとの話に真剣に耳を傾けつつ、話を聞く自分自身をコントロールしながら
相手の存在を受け入れる、というのはなかなかに練度を要する技術です。
加えて、
カウンセラーは心の問題を解決するための様々な心理療法に精通しています。
精神分析、行動療法、自己心理学、催眠療法、SST・・・
色んな学派の心理療法が存在しますが、原則として
科学的に根拠の立証された治療方法です。
護摩行やキツネ払いのような宗教的儀式とは一線を画すものだとご理解ください。
(宗教的儀式を否定する趣旨ではありません、それはそれで意味がある事です)
現代の心理士は脳の構造、体の構造、薬の働き等にも詳しい専門家が増え、
医療や福祉との連携も求められる、対人援助のエキスパートだと言えます。
例えば法律の事について弁護士に相談するように、
お金のことについて税理士に相談するように、
心の問題については心理士が責任をもって
プロの知識と技術であなたのご相談に取り組みます。
これでカウンセラー、あるいは心理士という職業に対して
安心感を持っていただけたとしたら、その安心感も「治療構造」を形成する一部分です。
もしご興味を持っていただければ、下記のリンクから
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お気軽にご相談をお待ちしております💛
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