『不調の対処方法について詳しくお伝えします』
~前回のおさらい~
・意欲がわいてきたらご飯と運動と休息を大事に
・栄養バランスのコツは「まごにはやさしい」
・日光とタンパク質と睡眠は全部回復につながる
・交感神経と副交感神経のバランスととのえるべし
こんなお話をしてきました。
最後、駆け足で不調の時の対処法についてふれましたが
今回はもう少しここを掘り下げていきたいと思います。
④-4” 続・不調の時の対処法を知ろう
メンタルが不調になるきっかけには様々な要因があります。
・天候
・気圧
・気温
・体温の変化
・運動に伴う心拍数の変化
・血糖値
・空腹
・排せつ・過集中等に伴う神経過敏
・ライフイベント
・精神的ストレス
ライフイベントや対人ストレスはなかなか避けられないものの
一方で自覚しやすい不調のトリガーだと思います。
ところが自覚しにくい不調のトリガーというのがあります。
●気圧の変化
●体温や体内の血流や血糖値等のバランスの変化
●感覚過敏
まず、私が最もTwitterで皆さんに呼び掛ける気圧のこと。
実際、気圧の変化が体調に影響していると自覚している方
どれくらいいらっしゃいますか??
100人いて、1人いるかいないかくらいかな??
「あ~今気圧あがってるなぁ」「お、下がり始めたか」
なんて敏感に感じ取れる方は、逆に相当生きづらいと思います😅
気温の変化は暑さ寒さとして感じられますし、天候の変化も
見ればわかる。湿度は、敏感な方だと肌や髪、臭い等でわかる
場合もありますね。
まず、例えば夏と冬では人間は基礎代謝が変わってきます、
というお話をしたら、ピンとくる方も多いでしょう。
寒い冬は体温を保持するために脂肪を蓄えようとしますし
暑い夏は汗をかくことで体内の熱を発散させようとする。
人間の体は常に「活動をするのに最適な状態」であろうと働きます。
つまり、人間の体は365日24時間休まず
暑さ寒さ、湿気や気候、血圧や血糖値等・・・etc
体の中と外の情報を収集し、それにあわせて調整をしているんです。
極端な例を挙げれば、富士山の山頂とふもとでは気圧が変わります。
酸素の量が違う、空気の多さが、密度が違う。
これは、多くの方に実感いただけるほどの違いでしょう。
ところが、例えば毎日同じ東京駅にいたとしても日々刻々と
気圧も変化している、そのことに気付く方がほとんどいないのは
変化の量が少ないからですね。
でも変化の量が少ないからと言って体がその変化に
何もしないわけではありません。
事実、気圧の変化が見られるアプリが、気圧の低下を警告すると
Twitter上で多くの方から体調不良のつぶやきが上がります。
この時、皆さんの体の中ではどんな変化が起きているのでしょうか。
下の画像をご覧ください。
シャワーホースを使って散水している女性ですが、
このホースを血管、流れる水を血流だとしましょう。
勢いよく血流が流れているのはシャワーホースのヘッドで
水の圧力が調節されているからですね。
ところが、このようにじょうろ程度になると血流もゆっくりになります。
つまり、ホースで圧縮された状態が高気圧だとするならば、
じょうろで水を撒くのは低気圧の時の血流です。
血の巡りがゆっくりになります。
血液は体中に酸素や栄養を送っているので血の巡りが遅くなると
脳や全身に酸素や栄養素が届くのもゆっくりになります。
こうなると、思考も鈍くなり体もだるくなります。
逆に気圧が急上昇すると、今度は空気の圧力に体が押しつぶされます。
その状態になると、頭が締め付けられるように頭痛がしたり、
喉が締め付けられるように息苦しくなったり、お腹が張って苦しくなったりします。
今あげた高気圧低気圧が逆の時に症状が出る方もいます。
これらは体が気圧の変化に順応しきれていないか、過剰に反応しすぎているのです。
Q.気圧の変化にどのように対処したらよいですか?
症状に合わせて対処法を見つけていきましょう。
①血流が低下して体が重だるい時
➡交感神経を刺激しましょう。簡単な運動で血流をあげましょう。
・薬指マッサージ
薬指は交感神経とつながっています。
左右の手も足も、薬指だけは交感神経とつながっているのです。
まずは左手の薬指を右手の親指・人差し指・中指の3本でつまんで
根元から「ぎゅっぎゅっ」と押すように指先までもみほぐしましょう。
終わったら反対側も。
・大地をふみしめるエクササイズ
そしたら、足の裏を床につけたまま重心を体ごと前に移動させます。
倒れないように、かかとが浮かないように。
一度重心を真ん中に戻したら、今度は後ろに重心を移動させます。
つま先が浮かないように、頭だけでなく体全体を移動。
真ん中に戻したら、重心を左に。
右足が地面から離れないように、首だけでなく体全体の重心を左足で感じます。
真ん中に戻したら、今度は重心を右に。
左足が地面から離れないように、右足で体の重みをしっかりと感じます。
重心を真ん中に戻します。
これを前後左右、2,3回ほど繰り返しましょう。
これは「大地を踏みしめる課題」と呼ばれる交感神経を刺激する運動です。
特に運動負荷は高くないので、つらい時でも実践しやすいエクササイズですね。
・バンプアップ
人体で最も大きな筋肉は、太ももの裏側です。
ここに負荷をかける事によって、血流が改善します。
まずは両足を肩幅よりも広めに開いて立ちます。
そして両手の平をあわせて、胸の真ん中で左右から均等に押し合いましょう。
その状態のままゆっくりと腰を下ろしていきます。3秒かけて下ろしたらキープ。
太ももの裏からふくらはぎに負荷がかかっているのを感じてください。
ゆっくり3秒かけて腰を上げます。
体力に余裕がある方はこれを3回ほど繰り返してみましょう。
あまり余裕のない方は、キープの状態をしばらく続けて、1セットで終わってもOK。
大きな筋肉が刺激されることで、心拍数が上がり、血流も早くなります。
ほかには、歩いたり、手足をぶらぶら動かすだけでも効果があります。
②めまいがしたり、頭が痛む時
➡いくつかのツボを知っておきましょう
・耳のツボ
耳にはたくさんのツボがあります。
一つ一つ知るのも良いですが、ここでは耳全体を刺激してみましょう。
両耳を左右の手全体で覆うようにつまんで、左右に引っ張ります。
くれぐれも鼓膜が破れないように、心地いい強さで。
戻したら今度は上に、そして下に。
そしてそのまま前回りでぐるぐると回します。
2周ほどしたら、今度は後ろ回りにも回します。
耳の奥にある三半規管を刺激してあげるイメージです。
・頭のツボ
頭にはこんなにもたくさんのツボがあります。全部は覚えきれませんね・・・
あくまで気圧の対処法として気持ちよくなるところをご紹介していきます。
まずは耳の付け根の少し前に触ると骨がややへこんでいる所があります。
図でいう「和りょう」のところを左右の人差し指の先で押し、
中指・薬指・小指を、指と指の間を少し離しながら髪の生え際に沿うように
していくと、概ね3つのツボにあたるので、シャンプーで頭を洗うように
指先でその辺りを押しながらゆすっていきましょう。
次は、耳の裏にある出っ張っている所。「耳骨」と呼ばれます。
その耳骨の下を左右の、人差し指・中指、薬指の3本の先で
ぐるりと円を描くように指圧していきましょう。
図でいう「えい風」と「完骨」のあたりが刺激されます。
今度は後頭部の頭蓋骨と首の境目のあたり。
左右の小指を「風池」のあたりに置いて、両手の中指と両手の人差し指で
頸椎のあたりを押しはさむようにして、指の腹を使って圧をかけながら
内回し、外回しに動かしていきます。
そうすることで、「天柱」「あ門」も一緒に刺激されるでしょう。
最後に、図の「風池」の文字が書かれているあたりが
ちょうど首の付け根で骨が出っ張っている位置になるかと思います。
そこを利き手の親指・人差し指・中指・薬指でもみほぐしてあげましょう。
いかがでしょうか?
このツボを刺激するだけでも目がすっきりしたり
肩凝りが楽になった感じはありませんか?
今回ご紹介したツボはリンパ節付近にあたるため、体内の老廃物や
余分な水分がツボを刺激されることで流れていきやすくなります。
他にも太ももの内側には「鼠径リンパ節」と呼ばれる太いリンパ節があるので
太ももの内側を全体的にやさしくゆすってあげるだけでも血流が改善します。
③喉が詰まったような感じで息苦しさがある時
➡喉や肺の筋肉をタッピングやチョッピングで緊張を緩めてあげましょう。
また、顔面のストレッチ等も効果的です。
・タッピングとチョッピング
タッピングとは、指先で体をトントンとタップしてあげること。
チョッピングとは文字通りチョップのように手全体を使ってタッピングすること。
まず、喉のように繊細な部位に対してはタッピングで対処します。
両手の人差し指から小指までの4本の指で
首の横、喉の周りのあたりをトントントン・・・とやさしく繰り返し
手首を軽くスナップさせながら全体的にタッピングしていきます。
指先の重みでこわばっている筋肉をほぐしていきましょう。
つぎに、あばら骨の一番下の骨に沿うように左右の手のひらを
上向きにしてそわせます。この時、体がへこむくらいに手を押し込んでください。
そうしたら、今手をそわせたあたりに、手首のスナップを効かせて
チョッピングをしていきます。
力を込めてドスン、ドスンとやると息苦しいのでトントントン、と
リズミカルにチョッピングをしていきましょう。
これらのタッピングやチョッピングに加えて
首回りや顔面、特に舌や口角をストレッチすることも有効です。
④今のところどれも当てはまらないけど不調
➡今から当てはまる事がないか順番に調べていきましょう
Q.最後に食べたり飲んだりしたのは何時間前ですか?
➡6時間以上感覚が空いているとしたら、血糖値の低下が原因かもしれません。
Q.排便、排尿は普段通りですか?
➡排尿が少ないようであれば水分を多めに取りましょう。お腹が張って
排便がしばらくないのであれば、お腹のマッサージをまずしてみましょう。
ここで気を付けて欲しいのが、例えば眠剤等の場合排便されるまで
体内に薬の効果が残っていて朝起きてからずっとダル重い、眠い、
という場合もあります。薬を適切に排出するためにも排便は重要です。
薬の副作用で便秘気味だと感じたら主治医にその旨をご相談ください。
Q.体を触ってみて、どこか冷えている所はありませんか?
➡肩や首、二の腕、肘、足首、ふくらはぎ等どこか一部が冷えていたら
まずはそこをさすったりお風呂に入る等して温めてみましょう。
急激な気温差だけでなく、体が汗をかいてその部分だけ冷える事があります。
特に脳に近い部位の冷え程メンタルの不調につながりがちです。
冷えた部位を温める事で、落ちていたメンタルが改善する場合もあります。
ここまでの所で、メンタルの不調についてきっかけとなるトリガーを探り
そのトリガーに対して対処方法を身に着けていくことで
メンタルの不調に対処できるようになってきます。
ご自身で不調に対処できるようになってくると、これまで原因不明だった不調が
ご自分のアンダーコントロール下に置かれることとなり対処可能感が得られます。
メンタルの不調が対処可能、コントロール可能だと思えるようになると
不調にふりまわされて「いつまでこの苦しい思いが続くんだろう」とか
「自分はいつまでたっても治らないなんておかしい、甘えてる証拠だ」
などと思い込んで、より一層調子が崩れることを防げるようになります。
そればかりか、復職を目指すうえでも
「もし仕事で体調不良になったら周りに迷惑をかける・・・」などと
心配して就職に踏み出す勇気が持てなかった方にも
「どうせ不調の波が来たところで自分で対処できるから問題ないね」
と自信をもって求職活動、復職に臨めるようになります。
今回お伝えしたかったのは「不調には原因があるはず」で
「原因と対処方法」がある程度わかってこれば生活の支障を減らせる
ということです。
そして、その原因と対処方法をいくつかご紹介してきました。
前回もお伝えしたように、人間は地球という環境の中で生きるいきものなので
その環境の影響を絶えず受け続けながら生きています。
なので、環境の影響に気付いていない方、環境の影響を過小評価している方は
今一度ご自身の不調と環境との間に関連性がないかどうか探ってみましょう。
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