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4月, 2020の投稿を表示しています

うつ病の回復過程について

今回はうつ病の回復過程についてお話をしていきたいと思います。 ここで触れるのは、うつ病に限らず気分変調性障害や双極性障害も含めた 精神疾患のうち「気分障害」に分類される疾患の回復過程についてのお話です。 統合失調症や人格障害、物質障害、発達障害、恐怖症等その他の疾患の回復過程は また異なってくるかと思いますので、その点はご留意ください。 発達障害については、その研究史から最新の研究のお話まで 語りだしたらキリがなくなるほど私は 発達障害マニア ですので(笑) また近いうちにお話ができればと思っています。 ①発症 意外と当人は通院して診断が出るまで「抑うつ症状が出ていた」と気づかない方が 多いのですが、振り返っていただくと実は下記のような兆候があったはずです。 ・物忘れが多くなる ・注意力が低下する ・簡単な計算などができなくなってくる ・一度に複数の事をしようとすると、どれかが抜け落ちる ・人から言われた話が頭に入ってこなくなる ・気づかないうちに体のあちこちにあざや傷ができている ・車の運転などに怖さを感じるようになる ・イライラしたり涙もろくなったり感情が不安定になる ・日常生活当たり前にこなしていたことがだんだんとおっくうになる ・ごはんを食べなくてもいいような、むしろあまり食べたくない気持ちになる ・家に帰っても仕事のことが頭から離れずずっと考えが止まらない ・先の事を考えすぎて不安になる ・体が重だるく感じる日がある ・悪夢を見る頻度が多くなった ・なかなか寝付けなくなった ・夜中に途中で起きる事が多くなった これらは 「ワーキングメモリーの低下」 「空間認知機能の低下」 「セロトニン、ノルアドレナリンなどの脳内伝達物質の分泌バランスの乱れ」 「上記の乱れに伴う意欲減退、食欲減退」 「睡眠障害」 といった症状に該当します。 この時点で起きている 「食欲減退」「睡眠障害」 「お風呂めんどくさい」 この3つがこの後に症状を悪化させるやっかいな症状です。 だって、考えてもみてください。 人間の体って、「食べたごはん」でできているんです。 ごはんから栄養をもらって、その栄養で 消耗したエネルギーや傷ついた体を回復する。 そして、眠っている間に体と脳を...

レストルームってレストランの事だと思っていた時期もありました

休息について ●外出自粛 室内にこもる時間が長いと気持ちが鬱屈しますね。 今日は晴れて天気も良いのでお散歩にでも、と思ったら多くの人が同じことを考えていたようで、道々に人があふれてました。 買い物だったり散歩だったり。お店も多くが閉まっているからか、どこか目的地があるというよりも体を動かしたい人がたくさん。 風通しの良い環境で、人が密集しているわけではないので感染症の拡大に影響はないでしょう。それよりも、外出自粛でいかにみなさんの心と体がストレスを感じていたのかよくわかりました。 ●ストレスについて ストレス=悪いもの、だと思っていませんか? ストレスとは心理学的的には 「よくも悪くも刺激、情報全般」 の事を指します。 例えば昇給した、婚約した、これらはとてもおめでたいことですが、同時に様々な生活の変化を伴うライフイベントです。その環境の変化自体は「ストレス」になるわけですね。 これが元気な心の状態だったり、そのストレスが自分にとって「対処可能」だったりすると、心に負担を感じるようなネガティブな出来事にはなりません。 ところが、これが心が弱っている時、あるいは自分にとって「対処できない」事態だったりすると、じわじわと心の負担になったり、一気に重たい気分になるかもしれません。 例えばパソコンやスマホから、目を通して伝わってくる情報もストレスです。 「ブルーライト」という光の刺激であったり、映像や音等の刺激、ひとによっては「電波が脳に刺さるように感じる」という人だっています。 元気な時だとパソコンやスマホを長時間触っていても苦にはならないのですが、うつ症状等メンタルの症状があらわれて脳が負担感を感じている時には、パソコンやスマホの情報も脳にとっては「とても苦痛で不快な情報」だと感じます。 脳疲弊している所に、さらにたくさんの情報が入ってきて キャパシティーオーバー になってしまうんですね。 よく、ストレスとそれに耐えられる耐性(ストレス耐性は)ゴムボールのように例えられます。 空気がたくさん入ったゴムボールはストレスを感じてもすぐに跳ね返ってく...

ラジバンダリ―じゃない、バウンダリーだってばよ!

| | | | | | | | | |      私       |         あなた | | | | | | | | 「今ここにあるのがあなたと私のバウンダリーです・・・」 冒頭から意味不明ですみません、SUNNY DAYSカウンセリングルームです。 今日はバウンダリーについて解説していきたいと思います。 以前Twitterでも少し触れましたが、バウンダリーとは「境界線」 それも「心の境界線」あるいは「自我の境界線」のことです。 ●バウンダリーとはATフィールド? 心の境界線であるバウンダリーは、心のコンディションや個人の性格等により 強弱みたいなものがあります。 エヴァンゲリオンのATフィールドを(わかる方は)イメージしてみてください。 おそらくエヴァンゲリオンをご覧になった方は ATフィールドとバウンダリーの関連性に ピンと来られる方もいらっしゃるのではないでしょうか。 ATフィールドとは「相手を拒絶」し 「自分を守ってくれる」領域ですね(ざっくり) 思春期の子どもたちである主人公シンジくん達は未知の怪物、使徒を相手に このATフィールドで自分の身を守りながら戦うわけですが・・・ この使徒を試しに「親」に置き換えていきましょう。 すると、思春期の子は親から心理的に自立をするために反抗期を迎えます。 反抗期の子はATフィールドを強く展開して親を拒絶する事で、自分を保とうとします。 それまでは親の保護下にあり守られていた世界から、一人の人間として親元を離れた自分だけの心を持ちたくて、反抗する・・・。 こうして、自分と自分でない存在とを心理的に距離を置いた上で 『自分は自分である事を確認し続ける その作業を繰り返す事で自分を形作る』 これが思春期における心の課題です。 その課題を乗り越え、健康な「自分」の枠組みができると それが「バウンダリー」となります。 親と自分は違う人間、友達とは年齢が近いけど性格は違う、先...

カウンセリングの治療効果ってポーションより効果あるの?

『カウンセリングってポーションより効くのかい?』   ●そもそも話をするだけで治療なんてできるのか?? 多く の方がまず最初に疑問に思われるポイントだと思います。 例えばひとに愚痴をはけば気が楽になる、という体験は皆様思い当たるでしょう。 だったらわざわざお金払って話聞いてもらう必要ないじゃん!! おっしゃる通り、『愚痴をはいて楽になる』程度の事であれば 『お金払って時間を割いて専門家に話をするまでの価値もない』のです。 もしあなたが過去に心理相談等を受けてそのように感じられたのであれば 「その時間とお金を割くだけの価値をカウンセラーが提供できていなかった」 か あるいは 「わずかな時間であなたとカウンセラーとの間で共有すべき問題が解決できた」 ためにそれ以上の継続をあなたが必要としなかったか このいずれかだと私は推測します。 場合によっては3つ目の 「あなたがその問題を解決することをこれ以上望まなかった」 というケースもありますが。そこはまたいずれ。 アドラー心理学について広めたかの 「嫌われる勇気」 という本を読んでいただけると 参考になるのではないかと、あらかじめお伝えしておきます。 ●お金、時間、場所・・・ 「たとえば、君が夕方の4時に来るなら、ぼくは3時からうれしくなってくる。  そこから時間が進めば進むほど、どんどんうれしくなってくる。  そうして、とうとう4時になると、もう、そわそわしたり、どきどきしたり。  こうして幸福の味を知るんだよ!でも、君が来るのが行き当たりばったりだと  何時に心の準備を始めればいいのか、ちっともわからない・・・・   ならわし って、大事なんだ。」<サン=テグジュペリ『星の王子さま』より> これはキツネが星の王子さまに「時間」と「場所」と「約束」が ひととひととの関係を築くうえでとても大切なポイントになることを 教えている場面のキツネのことばです。キツネはこの3つを総じて 「 ならわし 」という言葉で表現していますね。 カウンセリングが治療効果を発揮するためには、 キツネの言ったこの「 ならわし 」が深く関係してきます。 カウンセリングは日...