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うつ病の回復過程について~その2~




 うつ病の回復過程について~その2~』



落ち込む男の子のイラスト | 無料イラスト素材のillalet






前回はうつ病の発症から治療開始、そして絶対臥辱期についてお話しました。

絶対臥辱期とはなんぞや?という方は前回の記事をご参照ください。



③ちょっと回復期
さて、絶対臥辱期を乗り越えて、薬のある程度体になじんでくると

自然と
「あ、そういえばごはん食べられるようになったな」

「今日は体起きて動けそうだな」


という段階に移ってきます。

とはいってもいきなり活動的な事ができるわけでもなく

なんとなく「起きて、ご飯食べて、寝る」

そんな毎日の暮らしの中でちょっとずつ、、

テレビを見る、新聞に目をやる、スマホに触る・・・


そんな何気ない受け身的な活動がちょっとずつ増えてくる、程度です。


でも、寝ていてご飯を食べてトイレ行く、くらいしかできなかった生活の中に

少しずつ「頭の中に情報を入れる余裕」が出てきます。


これが、ちょっと回復してきた証拠。
ただし余裕はまだまだほんの少しだけなので頭の中で情報が上滑りします。

これはうつ病の症状の一つに

「前頭葉の機能低下」というものがあり、脳の働きが鈍くなっているためです。

前頭葉 - Wikipedia


画像の青いところが前頭葉ですね。

この前頭葉には「ワーキングメモリー」と呼ばれる

『記憶をちょっと仮置きしておく』場所としての働きがあります。

このワーキングメモリーが弱っているので、

・文章を読んでも、読んでるそばから前の内容を忘れてしまう

・話を聞いていても途中で何の話だったか分からなくなってしまう
・考え事をしているのにうまくまとまらない
・簡単な暗算等ができなくなる

といった事が起きてきます。

これらの症状はいずれ『脳の筋トレ、回復に必要な栄養+睡眠』
できるようになれば、時間をかけて徐々に回復していきます。

ただし今はまだ③ちょっと回復期、です。焦ってはいけません。

この段階で脳に負荷をかけるのは、
骨折して松葉杖をしているのに全力疾走をするのと同じことです。

松葉杖をしている時には、転ばないように慎重に歩きましょう。
転んでけがを悪化させたり、手をついて指を骨折してしまってはいけません。


今は頭と体が求めるままに、ちょっとずつ情報を入れて
脳の慣らし運転をしていくところから始めましょう。

あくまで慣らし運転なので、脳や体が無理だと思ったら休んでください。

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④意欲回復&気分と体調の大波小波期
さて、慣らし運転もしばらくするうちにだんだんと

「ちょっとあれやってみようかな」
「久しぶりに昔やっていた事思い出してみるか」

と意欲が芽生えてきます。

何気なく見ていたテレビも好きな番組を選別して見るようになったり
お気に入りの漫画を集め始めたり
ふと気になった事をあれこれと調べてネットサーフィンをしていたり

気が付くと色んな意欲がわいてくる段階にやってきます。

くれぐれもご注意いただきたいのは
「体も心もついてきていないのに、回復しなきゃ!と焦ってやろうとする」
事は意欲とは呼びません。

自然とこうしたい、と湧いてくる気持ちを感じられたら
あなたは今、この意欲回復の段階に到達しています。

ただ、この段階でやっかいな問題が生じてきます。

それは、調子の良し悪しに波が来ることです。

これまではずっと低空飛行をしていたのであまり気になってこなかったのが
ちょっと調子がよくなってきたことを実感すると、
調子が優れない不調の波の日に

「やっぱりダメなんだ」「何もやる気が起きない」
「いつになったら元のように働けるんだろう」

と落ち込んで焦ったりご自分の事を責めてしまいがちになります。


そんなあなたにお伝えしたい。

ご自分を責めると心のエネルギーがまた低下してしまいますよ!
心のデフレスパイラルがまた起きていますよ~!
画像


心の回復は、一直線には回復しません。
この折れ線グラフのように、あがったり落ちたりを繰り返します。
折れ線グラフのシルエット02 | 無料のAi・PNG白黒シルエットイラスト

ちょっと耳の痛いお話をすると、この心の折れ線グラフは
基本的に一生続きます


これは、「うつ病は一生治らない」という意味ではありません。

そもそも症状が出る前から、ひとは必ず心の波があったはずなのです。

ただ発症前まではその心の波を特に意識しなくても自然とやり過ごせてきました。

それは脳内の伝達物質が左の図のように正常に働いていたこと、そして
自律神経と呼ばれる体調をコントロールする神経も正常に働いていたこと

この2つが自然とやり過ごせてきた背景にあります。

抗うつ剤SSRI/SNRIの副作用なんて怖くない!バナナを食べると ...

うつ症状ではこのセロトニンとノルアドレナリンと呼ばれる
脳内伝達物質がうまく体の中で働いていません。

また自律神経の働きもバランスが崩れてくるため
心と体の調子にも波が生じてきます。

pml Blog: 「自律神経」


ということで、うつ症状を発症してから回復していくためには

この脳内伝達物質と自律神経の仕組みを知って、

ご自身の心と体への理解を深めた上で


上手にその波と付き合っていく必要があります。


といっても、ずっと同じ波を繰り返していくわけではありません。

うつ病は必ず回復します。
ただし、回復した後も波との付き合い方が大事なのです。

いわば下の図のように、上昇と下降を繰り返しながら徐々に回復していく。

無料イラスト 折れ線グラフ
このようなイメージを持っていただけたら、と思います。


④-2意欲回復期に有効なこと
さて、ここまでの所でうつ病の回復のためには
脳内伝達物質と自律神経の仕組みを知ってコントロールする事が大事!
というお話をしてきました。

しかしながらその仕組みについて細かく説明すると
学術論文を引用しなければいけなくなるほど長引きます。

そこでざっくりと要点を挙げていきます。

・セロトニンとノルアドレナリンはお薬で調整中です。
・ただお薬だけに頼るよりももう少し工夫すると回復効果が高まります。


自律神経は交感神経副交感神経の2つが交互に働きます。
交感神経は頑張る神経、副交感神経はお休み神経です。
うつ発症以前は、頑張りすぎて交感神経がオーバーヒートを起こしました。
ここまでの回復の過程で交感神経副交感神経働き方を忘れてしまってます
自律神経の回復も日々コツを意識する事で徐々に働き方を思い出してくれます


それではどんな工夫が必要かというと・・・

①栄養バランスの取れた食事(たんぱく質を中心に)

②睡眠と起床の生活リズム(日光を浴びて)


③有酸素運動


④適度な脳への負荷と休息


⑤マインドフルネス



この5つです!

ここからこの5つについて詳しくご説明していきたいところですが、
ここまででずいぶんと長く尺を取ってしまったので
また近日中に、この5つの回復方法と就労について、
いずれも長くなりそうなので2本に分けて解説していきたいと思います。


皆様、大変な時期ですがお健やかにお過ごしくださいませ😉

どうかお元気で🙏




SUNNY DAYS カウンセリングルーム☼。

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